憧れの槍ヶ岳【本編1】
2016/08/01 (月)
22:30 毎日新聞社ロビー
午前中に新宿にて最終確認及び行動食の買い出しを行ったぼくとSは、22時に竹芝駅に集合しました。駅直通の毎日新聞社の入っているビルの中にはコンビニも入っており、仮に忘れ物をしてしまったとしても簡単なものならば調達することができます。ぼくとSは翌朝の食べ物を買っていなかったのでおにぎりを購入しました。
受付が済んだらいよいよバスに乗り込み、登山口の中房温泉に向けて出発です。
08/02 (火) 曇りのち雨
5:30 中房温泉口
この週は天気予報が芳しくありません。北アルプス初日の朝は予報通り曇りでした。ほかの登山者たちに混じって準備を整えたら、いよいよ登山開始です。
6:00 登山口 (標高1462m)
この日は燕岳まで登り表銀座に入って稜線を大天井ヒュッテまで行く予定です。まずは標高2763mの燕岳まで登る必要があるわけですが、上に書いたように登山口の標高は1462m。標高差は単純計算で1301mです。それをコースタイム4時間20分で行くというのですからけっこうな急登ですが、それもそのはず、このルートの後半の合戦小屋から燕山荘までの合戦尾根は北アルプス三大急登に数えられています。
夜行バスであまり眠れなかったこともあり、ぼくはその三大急登が現れるずっと前の初っ端からへばってしまいました。何度も休憩をねだりつつ、どうにか前を行くSについて行きます。余程辛かったようで、ほとんどその間の写真が残っていませんでした。
登山口の時点で既に肌寒いくらいでしたが、登り始めるとすぐに暑くなってインナー姿になりました。
8:30 合戦小屋到着
この段階で頭痛がし始め、「高山病」の文字が頭をちらつき始めました。特に危険な箇所はないのですが、ここまでの道のりはとにかく急できつかったです。前を行くSくんはまだまだ元気そうでしたが。
合戦小屋名物、西瓜。
一息ついたあとは、燕山荘目指して再び歩き出します。いよいよ登りも佳境、恐れていたあの北アルプス三大急登です。……が、調子に乗って西瓜を食べ過ぎてしまったのがいけなかったのか (上の写真の分をひとりで食べました)、体が手指の先まで冷え、一気にしんどくなりました。先ほどからの頭痛も悪化。あわててフリースとネックウォーマー、手袋を着込むと、少し登ったところで無事汗が出て来ました。
燕山荘付近 (だったと思う)
10:30 燕山荘到着
登山開始から4時間半、やっとこさ燕山荘に到着です。
当初の予定ではここでひと休みした後、燕岳山頂までピストンして表銀座に入り、大天井ヒュッテまで行くはずだったのですが、ぼくがおそらく高山病と思われる頭痛、お腹の不快感で困憊していたため、予定を変更してここ燕山荘で1泊することになりました。
宿泊受付を済ませてザックを置かせてもらったあと、とりあえずカップヌードルを食す。
一面を覆っていた霧が束の間晴れ、燕岳が見渡せました。
まわりはこんな景色。テン場がすぐ近くにあります。
燕山荘展望台
少し霧が晴れたので、燕岳にアタックしてみた (けっきょく途中で引き返しました)。
燕山荘喫茶室にて
ランチ (ぼくは山菜うどん、Sはカツカレー)。山荘の食事とは思えないほどおいしい。
晩ご飯。山荘の食事とは思えないほどボリュームがあり、とてもおいしい。
夕食風景。この日は午後から天気が崩れて大雨となったため、夕方頃にずぶ濡れで駆け込んできた登山客が多かった。また、ツアー客もけっこういた。
寝床。多いときは六人で寝るという一区画にぼくとS、おじさん2人の4人で寝ました。二層構造になっていて、ぼくたちは梯子で登る二階部分でした。秘密基地っぽくて楽しかった。
……というわけで、登山初日は天候不良とぼくの高山病疑惑で予定を変更して大天井ヒュッテではなくそのずっと手前、表銀座の入口の燕山荘に泊まることになりました。が、この燕山荘、さすがは日本でいちばんきれいな山荘といわれているだけあって、素晴らしかったです。もはやきれいを通り越して、お洒落のレベルまで達しているのではないかと思いました。全体的に内装が凝っていて、とても雰囲気が出てます。食事もおいしいし、スタッフの対応も素晴らしかった。泊まって良かったなと思いました。
……「泊まって良かった」。今でこそそう思いますが、正直に白状すると、初日のこの段階では「とんでもないところへ来ちまった」と思っていました。Sの手前口には出しませんでしたが、異常なほどの息切れ、軽症ではあるものの頭痛、腹の不快感と悩まされ、おまけに中房温泉から燕山荘までの道のりは辛く、だいぶ疲れていたのです。
しかしそんな不安も、翌日、吹き払われることになります。
次回、「憧れの槍ヶ岳【本編2】」では、燕岳ご来光登山に始まり、いよいよ表銀座縦走に入ります。目標は燕山荘からコースタイム6時間35分のヒュッテ西岳まで。表銀座に行ってみたいけれど初心者なので不安だ、という方にはぜひ読んでいただきたいです。近々更新予定。