これからのこと

ふがいない院生は空を見た

バイトいやいや月間①

 

3/4 (土)

 

18:30から授業。16時前から予習をし、17時半に家を出て18時に出社する。

「こんにちは」「はい、こんにちは」

デスクには塾長しかいない。時間割で見る限り、どうも土曜日はぼくと塾長の二人きりのようだ。クラスを担当するもう一人の先生から伝えられていた本日実施分の漢字テスト&単語テストをプリントし、いちおう板書案を確認する。

冷や汗が止まらない。

以前ぼくが渡されていた板書案と範囲が違う。前回ぼくがその板書案を渡された時はまだ今月分の板書案が回ってきていなかったため、とりあえず去年ので間に合わせていたのがずれてしまっていたらしい。これから小○理科、中○国英、中○英と3時間ぶっつづけで授業するのだが、理科を除いて全て板書案がずれていた。板書案がずれていたということは、授業でやる範囲がずれていたということである。家でしてきた予習はなんだったんだ。ふざけんな。……もう時間もない。とりあえず正しい板書案をプリントだけし、小○理科の教室に向かう。

 

小○理科

今までに国語を教えたことがあるクラスだったので、「先生理科もできるの?」とみんなから聞かれる。できません、と胸の中で応えつつ、「先生は何でもできます」と答える。「じゃあどの教科が得意?」「うーん、好きなのは国語かなあ」「好きなのじゃなくて、得意なの!」子どもにはごまかしがきかない。「……まあ、やっぱり国語かなあ。……というか、そんなのはどうでもいいから授業始めるよ!」

今日の範囲は「こん虫」について。理科だけは板書案がずれていなかったため予習済み。つい2時間ほど前に知ったばかりの知識をさも当然知っていたかのように話す。ちょっぴり自己嫌悪。でもこれくらいのことは個別指導塾でバイトしていた時にとうに慣れっこになっている。

もともと生徒たちを知っていたということもあって、わりとつつがなく範囲を終了する。少し時間が余ったので授業の最後にはテキストもノートも閉じてもらい、今日やった範囲からクイズを出す。「こん虫のはねは、あたま・むね・はら、どこについてたっけ?」「はら!」元気だけはいい。ちなみに正解はむね。

 

中○国語

中○と対面するのは初めて。ゆっくり自己紹介でもしたいところだが、前のコマの塾長がだいぶ延長していたので簡単に名乗るだけにし、さっそく漢字テスト。テスト中も注意しないと騒ぎ出す小学生と比べ、中○はさすがにおとなしい。おっ、と思う。

答え合わせをさせてからマッハで今日の範囲へ。短い小説文が2題。とりあえず15分で1題目を解いてもらう。生徒たちが問題を解いている間、ぼくも必死で本文を読み問題を解く。小問2だけ間違えていた。しかし答えを見ても納得できない。絶対おかしいと思う。少なくともぼくの抜き出したところのほうがより正解にふさわしいと思う。国語の問題を解いているとしばしばこういう事態に出くわす。さて、どう解説するか。

15分が経つ。いちおうみんな解き終わったみたいなので、適当に指名して答えさせる。時間がない、というか既に延長してしまっているので、ほとんど板書せず口頭で説明する。板書案が汚くてぜんぜん読めなかったせいもある。が、まあ、もともとそんなに板書案は信じていない。授業範囲を知るためにプリントしているだけだ。

小問2に関しては、けっきょく「ぼくも間違えた。が、こっちを抜き出しても正解だと思う。ていうか、こっちのほうが適切だとすら思う」と正直に打ち明ける。こうなると当然、そう思う理由も説明しなければならない。というわけでテキストに書いてある答えとぼくが抜き出した部分を比較し、その意味することがまったく同じであること、具体性がある点でぼくの抜き出した部分のほうがより適切だと思われるが、テキストの答えも間違ってはいないということを納得させる。正誤に関してはどちらも丸ということにした。

本来ならば2題とも終わらせることになっていたが、1題目が終わったところでだいぶ時間がオーバーしている。窮余の策として2題目は宿題にし、次回授業の冒頭で解説することにした。

 

中○英語

けっこうな分量書いたのだが、それゆえ内容がかなり具体的になってしまったので割愛する。

 

中○英語

生徒数が少なく、今まででいちばん静かな授業であった。ぜんぜん反応がないので、これはこれでやりにくい。一人ひとり指名して答えてもらいつつ、なんとか反応を引き出せないかと腐心する。範囲は動詞の過去形 (規則変化) で、こちらも特に問題なし。

 

授業後

塾長からぼくの授業について言われる。丁寧な口調で、「授業と関係のない雑談を許すな」「もっとポイントを伝えて、一回の授業で少なくとも一個だけは持ち帰れるようにしろ」と言われる。ポイント云々に関しては授業の終わりにクイズ形式で復習させたり何度も同じところを繰り返させたりしたんだけどなーと思いつつ、素直に「はい」とうなずく。雑談云々に関してはこのエントリに書いた。でもまあ、お金を貰って働く以上、言われたことはしないとなと思う。

以上のことは小○の授業を覗いた感想として言われたのだが、なるほどなと思わされたのが「小学生には勉強を教えるだけじゃなくてしつけを教えることも塾の仕事だから」と言われたことだった。保護者はそこにも期待していると。実際、塾長曰く「厳しくしつけた」中○の生徒たちは皆メリハリがきいて、授業がしやすかった。しつけを厳しくしなければならない、という教義は肌に合わないけれど、それが塾に求められているというならば念頭に入れるべきなのだろう。

そのほか、もっと生徒たちと (体験生とは特に) コミュニケーションを取れと言われる。これはまあ、確かに。反論の余地もない。あと講師間でもコミュニケーション取れと言われる。特に同じクラスを折半する講師とは。これもまあごもっともなんだけど、グループラインだけでもきついのに、個々で連絡取ってくれってそりゃきついっすよ〜。だってねえ塾長、おれ塾講の空気苦手なんすよ。ということは塾講師も苦手なんすよ。そんなまめに連絡取り合えって言われても無理っすよ〜とは言わず、「はい、はい」と返事だけはしておく。早く帰りたい。

次回の板書案をプリントしつつ、塾長が春期講習について話すのを聞く。早く帰りたい。ダメと言わなかった日はすべて入れられるようだ。ということは、月末はもっときつくなるってことか? 早く帰りたい。「大学院のスケジュールっていつわかる?」とも聞かれる。「いやあ、たぶん月末までわからないと思います」「大学とか大学院ってさ、ほら、講義はあっても最後のほうだけ出席してれば単位貰えたりするでしょ。だからさ、そういうのも含めてどれくらい忙しいか、そういう感覚だけでも教えてもらいたいんだけど。だれか先輩とかいないの?」「いないんです」「そうか。こっちも早くスケジュール組みたいから、わかったらすぐ教えて」「はい、すみません」

遠回しに「大学院なんてどうせ楽なんだしもうスケジュール組んじゃっていい?」と言われたのだろうか。あと申し訳ないがぼくはいまけっこう本気で文学したいと思ってるので、週2より多くは働く気ないです。早く帰りたい。というか個別指導塾時代も思ったけど、塾っていう組織は自転車操業すぎる。うちの塾はその中ではすごくまともなほうだと思うけど (生徒や保護者へのフォローもかなりやっているし)、それでも常にてんやわんやしている。バイトが多いからだろう。

 

22:30退社。電車の乗り継ぎが悪く、23時半に帰宅する。

母が用意してくれていたざるそばと寿司を白ワインで流しこみ、30分ほど将棋実況とラーメンズのネタを見てから風呂へ。J・M・クッツェー『恥辱』読了。すごい本だった。今のところ2017年ベスト。いずれ感想を書くかもしれない。

 

バイトいやいや月間はまだまだつづく。

 

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