さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ

 はてなブログ以外からこのブログに来てくれた方はどんなキーワードで検索をかけたんだろうと思ってアクセス解析を見てみたところ、「大学四年 廃人」というキーワードがいちばん多いとのことでした。なんでやねん! ちなみに次点は

「日本酒らしい日本酒」でした。もちろん、

この記事がヒットするわけです。苦労して書いた記事だけに、嬉しいですね。「大学四年 廃人」のほうは、嬉しくないです。「廃人」でヒットしなくなるよう、がんばります (と書くことでますますヒットしやすくなってしまう歯がゆさ)。



 レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』を読みました。

長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))
 

  ほんとうはその感想を書くはずだったんですが、読み終えたその日に感想が書けるような本ではありませんでした。つまり、この本は僕を抜け殻にしたわけです。読んだ人間を抜け殻にしてくれるような本と出逢えたのはひさしぶりでした。幸せな読書体験でした。機会があれば、また詳しい感想を書きたいと思います。

 そういえば、これで村上春樹*1「もっとも重要な」三冊*2をすべて読んだことになりました。僕にとっても、重要な三冊でした。『長いお別れ』は、もっとも重要な小説のうちの一冊になりました。
 文芸批評家の渡部直己が、春樹のは「甘ったれセンチ」だけどチャンドラーは「クール」だ、といったことをどこかで書いていましたが、チャンドラーもセンチやん、と思いました。ただ、確かに「甘ったれ」ではなく、その点は渡部氏に同意です。
 なんて偉そうなこと書いてますが、僕は『ノルウェイの森』が好きな人間なので何も批判はできません。『ノルウェイの森』は「良い」小説ではないが、僕にとってすこぶる「面白い」小説でした。ちなみに、『ねじまき鳥クロニクル』は「良い」小説です。娯楽を求めるならば前者を、文学性を求めるならば後者をオススメします。

 そしてこれまでの話とはぜんぜん関係ありませんが、橋口なつこの「You Are Singing Always」はとてもいい曲です。最近「良い」とか「うまい」とか「面白い」とか偉そうに評価軸を打ち出しすぎているため、なんだか疲れてきました。ので、ここでは素直にいい曲と言っておきます。ほんと、いい曲。特にYou Tubeに上がってる弾き語りのがオススメです。彼女の声は、絶対に変にいじらないほうがいい。


you are singing always - YeYe

*1:豆知識。中国では、ハルキストのことを「村人」と呼ぶ。オン・ザ・ロックを片手にやれやれとこぼすキザなハルキストと遭遇したときは、ぜひ「村人」と呼んであげてください。

*2:グレート・ギャツビー』『カラマーゾフの兄弟』『長いお別れ』(春樹訳だと『ロング・グッドバイ)