雑記

 

きょうは7時半に起床。夜更かしが祟ってか、体調悪し。余っていただしで雑炊を作り、梅干しを入れてたべる。読みかけの『ニューロマンサー』を読む気にならなくて、本棚でねむっていた関口尚『潮風に流れる歌』を読む。11時頃読了。中高生の頃はすなおに楽しめた物語も、いま読むと「けっきょくアンチミソジニストじゃねぇか」*1とか思ってしまうのでつらい。けど、楽しめたっちゃ楽しめた。やっぱ、こういうやる気がないときは読みやすい本を読むに限る。昨夜もニューロマンサーほっぽり出して、福田栄一ばかり読んでいた。福田栄一はぼくが高校二年生のときにはまった作家で、まさにアンチミソジニスト、たぶんフェミニストが読んだら一笑に付されそうな作風ではあるのだけど、やっぱりぼくは好きだ。『あかね雲の夏』、何回読み返していることか。

12時に家を出る。電車の中で気持ち悪くなり、途中で引き返そうかと思ったが、さすがに今季は語学の単位とらないとやばいし、ということで大学へ。3、5限をこなし、真っ先にスロープを下る。最寄り駅に帰ってきたのは19時頃だった。少し迷ってから、坂道を下りる。年度が替わるのを待って最寄りのファミマが喫煙所を撤去してしまったため、煙草を吸おうと思ったら坂下のコンビニに行かなくてはならない。

ファミマの喫煙所が撤去されてしまったことは何気に大きな痛手だった。その喫煙所は、

↑ の記事でも書いたように、ぼくにとってはいちばん身近で、少し特別な喫煙所だったのだが、自治体の条例が変更されるのに伴ってなくなってしまった。煙草一本吸うのにわざわざ坂下のコンビニまで歩いて行かなくてはいけなくなっただけでなく、ぼくにとってはこの喫煙所は眺めもよし、誘蛾灯よろしく喫煙者がどこからともなく集まってくる感じもよし、なによりこの場所で煙草を吸いながらいろいろなアイディアをメモしたり黄昏れたりしたなじみ深い場所だったので、なくなったのはショックだった。

坂を下り、長い信号を待ってからコンビニの喫煙所に向かう。きのう買ったばかりのアークロイヤルに火をつけ、鞄から津村記久子『とにかくうちに帰ります』を取り出して読む。

会社で働いたこともないのに、ついくすりと笑ってしまう。津村さんはほんとうに、会社における微妙な人間関係、ひとのちょっとしためんどくささを書くのがうまい。そして、面倒なやつであっても憎めないところが、いいひとそうであっても厄介なところが、書いてあって安心する。いま書いていて思ったけど、「わるいひとではないんだけど……」という人物の描写が一級品だ。だから身につまされる。決してわるいひとじゃなくとも、悪気ない言動がまわりにストレスを与えていることは多々ある、ということを。

わずか十分にも満たない喫煙時間だが、好きな作家の本を読みながら好きな煙草を吸う時間は至福だった。というか、きょう一日でいちばんほっとした時間だったかもしれない。それもどうなのって感じだが、こういう時間があるのとないのではその日の感触がまるでちがう。身近な喫煙所はなくなってしまったが、これからもこういう時間を持てたら、と思う。

とにかくうちに帰ります (新潮文庫)

とにかくうちに帰ります (新潮文庫)

 

 

最近よく聞いているトリプルファイヤーの話もしたかったのだけど、書き損なった。いずれ書きたい。


トリプルファイヤー「カモン/次やったら殴る/スキルアップ/おばあちゃん」@渋谷QUATTROワンマン

 

*1:もっとも、全編通して読んだときにその批判が当てはまるかどうかは微妙なところ。最初の話に対してはそう思ったけど、後の話でそこのところをカバーしてるかもしれない。