たしかぼくの敬愛するショーペンハウアー先生も健康の維持が大切だ (幸福の第一条件である人柄が傷つけられないために) といっていたと思いますが、2017年はそれを身をもって思い知らされた一年でした。もう何度も書いてますが、9月末から体調を崩し、今なお腹部の不快感、膨満感に苦しんでいるからです。先日、とうとう胃カメラを受けました。まだ詳細な説明は受けてませんが、逆流性食道炎だといわれました。食道と胃腸がめちゃくちゃ荒れていたそうです。ピロリ菌もいるかもしれないといわれました。

 いや、ほんとにまいった一年、というかラスト三ヶ月だった。「だった」って過去形で書いてるけど来年もしばらく悩まされるんだろうな。早く気にせず外出して、お腹いっぱい好きなものを食べられるようになりたい。2017年は厄年で、「んなのかんけーねぇよハハ」と笑っていたけど、最後に盛大なパンチを食らった。

 そんな中、ブログにはだいぶ助けられました。お腹が気持ち悪くて何もする気になれなかったとき、どうしようもないくらい落ちこんでしまったときも、文章を書くことで、そして何よりも読んでいただけることで、救われた。いつも読んでくださっている方、ほんとうにありがとうございます。拙いブログですが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

 最後に、今年読んでおもしろかった本。

 

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 見えづらくてすみません。3位はリシャルト・カプシチンスキ『黒檀』、7位は佐々木中『切りとれ、あの祈る手を——〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話』、10位はミシェル・ウエルベック『プラットフォーム』、16位はオルダス・ハクスリーすばらしい新世界』(大森望訳) です。ちなみに、この前のブログで「めちゃくちゃおもしろかった」と書いたのは1位の『ゲームの王国』。参考までに、読書メーターに書いた感想を載せておきます。

凄い。凄すぎて感想が書けない。シハヌークによる恐怖政治からポル・ポトによる輪をかけた恐怖政治、ついには近未来へ。この小説にはすべてが詰まっている。テロル、虐殺、不条理、物語、革命、想像力、脳科学、家族、愛情、運命、抵抗……つまり、人生が書かれている。上巻の悪夢を超えた壮絶さ、寂寥と諦念が滲む下巻。脳科学を利用したムイタックの最期の試みは『虐殺器官』を想起させて胸熱。もし世界が「ゲームの王国」だったなら。この小説は、僕等に世界の存在を教えてくれる。子どもの頃に忘れてしまった問いを、希求を、突きつけてくれる。

  あんま参考にならなくてすみません……。凄い小説だったので、記憶が古くならないうちにちゃんと書評書かねば。

 

 それでは、よいお年を。