これからのこと

ふがいない院生は空を見た

マジでトンズラ5秒前 (バイトいやいや月間⑮)

 

3/27 (月)

 

起きたら13時前だった。

例によって夜更かししてしまったからだが、それにしてもひどい。

授業は15:40からで、予習のことも考えると遅くとも14時半には家を出る必要があった。準備 (身だしなみetc) と昼飯にそれぞれ30分かかるとして、13時半には動き出さないといけない。ということはゆっくりしてられるのは残り30分。ここまで考えて、ぼくはぐったりとベッドに倒れた (いや、元から寝転んでいた)。

こんなふうに現実が差し迫ってきたとき、果たしてどんな行動を取るか。……ぼくはこれまで繰り返してきた如く、現実逃避をした。今回の場合は枕元に置いてあったスマホを手に取り、YouTubeを開いた。

次に時計を見たとき、時刻は14時になっていた。こうなったら15分で準備することにして、とりあえず何か食べないと——と思いつつ、引き続きYouTubeを見た。

次に時計を見たとき、時刻は14時半になっていた。ぼくは真剣にトンズラしてしまおうかと検討し始めた。今から塾に行こうと思ったら、昼飯どころか顔を洗う時間もない。寝不足&空腹&寝起きのひどい状態で、夜まで乗り越えられるとは思えない。昨夜午前四時まで起きてしまっていた時点で、こうなることは決まっていたのだ。今更どうすることもできない——と。

だが、ここでトンズラしてしまったらほんとうのクズになってしまうな、とも思った。慌てふためく塾長や社員の方、いつまでも先生が入ってくるのを待つ生徒たちの顔が脳裡に浮かび、今年二十四になる人間として、さすがにそれはやっちゃいけないだろと思った。が、理屈では分かっていても、どうしても行きたくないのだ。逡巡しているあいだも時は過ぎていく。14:35、14:40、14:45……ぼくはベッドから起き出した。

家を出たのは14:55だった。ちょうど電車が行ってしまう時刻だったので、いくらかでも精神を整えようと思い、駅前のコンビニで煙草を吸った。くらっとした。やはり空腹のときに煙草は吸うものではない。駅中の売店で果汁グミを買い、口に放り込みながら電車内で板書案をなぞる。

悪いことは重なるもので、こういう日に限って電車が止まる。どうせなら1時間とか止まってくれればいいのに、線路内立ち入りの確認とかで7、8分だけ止まる。これでは遅刻の言い訳にもならない。

塾の最寄りに着いたとき、すでに15:20を回っていた。扉が開くと同時に走り、どうにか半頃に出社。10分で確認作業を済ませ、授業にのぞんだ。予習不足というよりは精神面で準備ができておらず、頭も半ば止まっていて、ぼろぼろだった。

2コマぶっ続けで授業した後、この濁った頭をどうにかしようと思い、コートも着ずに塾の外を散歩した。寒かった。俺は何をやっているんだろう、と思った。

その後の1コマは前2コマの至らなさを取り返そうと励み、どうにか最低限のことはやった。が、肉体的にというよりは精神的に疲れ果て、塾長から口酸っぱくいわれている保護者への電話もせずにさっさと退社した。逃げるように退社した。

明日も同じ時間から授業。現実逃避の気持ちから今夜も夜更かししてしまいそうだけど、せめて朝早く起きるようにはしたいと思う。

 

とんずらとは、逃げることをいう俗語。犯罪を犯した者が逃げる場合などに特に用いられる。以下を組み合わせた合成語である。

・とん - 遁(とん)、逃げることを意味する。遁走など。

・ずら - ずらかる、逃げ出すことを意味する俗語。

(Wikipedia「とんずら」)

 

バイトいやいや月間はあとちょっとだけ続く。果たして、最後まで遁走せずにいられるか。

 

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