武甲山に登ってきた【登山レポ】


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 先月の3日、幼馴染のKくんと秩父山地武甲山に登ってきました。
 Kくんとは、小学5年生のときに僕が東京に越してきて以来10年以上の付き合い。僕が私立に進んだため中高は別でしたが、その間もたまに連絡を取り合っては遊び、2年前にKくんが社会人となってからもちょくちょく飲んだり遊んだりしている間柄です。
 ふだん山に行くときはもっぱら大学友達のSと連れだって行っていたため、Kくんと登山をするのは初めて。なんとなく秩父のほう行きたいよねと話していて、それならと以前から気になっていた秩父御岳山に行くことにしました。……が、山行の3日前くらいから「武甲山もいいなあ」なんて思い出し、色々な面から考えたんですがアクセスも難易度もそう変わらないようだったので決められず、悩みすぎて頭パーになったので当日Kくんと相談して決めることに。



11月3日 (火) 晴


早朝、最寄り駅ホームにて

僕「あのさ、秩父御岳山に行くって言ってたじゃん?」
K「うん」
僕「でもほかにもうひとつ良さげな山見つけちゃって、武甲山っていうんだけど、どっちがいい?」
K「どう違うんすか」
僕「秩父御岳山はどちらかというとマイナーな山で、武甲山秩父のシンボルといわれるくらいメジャーな山。標高は武甲山のほうが300mくらい高い。でも人は武甲山のが多いと思う。あと、どっちも熊が出る
K「……武甲山かな」
僕「オッケー!」
 というわけで、急きょ武甲山に予定変更。


8:07 西武秩父駅

 もともと秩父御岳山の最寄りである三峰口駅まで行くことを想定していたため、8時早くに西武秩父駅に到着。ここからはタクシーに乗って生川登山口まで行きます。距離的には横瀬からのほうが登山口に近いんですが、横瀬駅にはタクシーがないので西武秩父から乗りました。


8:30 生川登山口着

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タクシー降りた途端に超寒い。あと電波入らない。

 20分強で生川登山口に到着。料金は2700円とかだったと思う。1人1500円かからなかった。
 走行中、ずっと運ちゃんと話してたんですが、「今日 (当日3日は文化の日) の武甲山山頂は原宿の歩行者天国と変わらなんじゃないかな」と言われ、そんなに人多いんか! と思ったけど実際行ってみたらぜんぜんそんなことなかった。そもそも原宿にホコテンあんのか (Wikiで調べてみたところ98年に廃止)。ほかにもこのあたりは山から熊が下りてきてあそこの家は外で飼っていた犬を喰われただのここらで熊に会うのは日常茶飯事だの怖い話ばかりされて、「やばいところにきてしまった……」と登山初心者の僕とKくんはびびらされました。まあ確かに熊はいるらしいんだけど、今思い返すと僕らを脅かして楽しんでいたとしか思えない。「まあ2人いるし、最初にどっちが囮になるか決めといて熊に会ったら1人が犠牲になればいいから(笑)」って笑えねえよ! でも色々な話をしてくれたし悪い人ではなかった。なんだかんだ僕らも楽しかったし。運ちゃんから聞いたほかの話では、山で猪を見つけたら怪我をしてでも捕まえたほうがいいというのがあった。売ると高いらしい。ヨッシャー捕まえたるでー……って無理!

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今回は生川基点から山頂まで登り、浦山口まで下ります。

 この地図の近くに「熊さんにお願い」という「きみの住んでる地域に人が入るけど襲わないでネ (はぁと)」みたいな看板があって撮ろうかと思ったんですが、「これがフラグになったら嫌だな……」と思ってやめました。それくらいびびってました、ハイ。

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混雑を予想していたのに、実際はあまり人がいなかった。

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のび太の宇宙漂流記』に出てきそうな木。

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山頂付近は紅葉していた。

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秋。

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武甲山御嶽神社

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山頂へ急ぐ。


10:30 武甲山頂着

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「標高 一、三〇四m 武甲山」。日本二百名山です。(「グレートトラバース2」でも先月14日放送分で田中陽希さんが登ってました)

f:id:umiya22:20151126222012j:plain秩父市街を一望!

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恒例のカップヌードル武甲山は山頂が狭いのでなかなか適した場所が見つからず、いちどは神社付近の広場まで戻ったんですが、ベンチがなかったので結局山頂の岩場で作りました。座り心地を気にしなければ、山頂でも食べるスペースがあります (ただし混んでたらアウトです)。ビニールシートがあれば広場で食べるのもアリだけど、こちらは眺望が無いというデメリットも。座り心地を取るか、景色を取るか。難しいところですね。

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この日は快晴で下界はそれほど寒くなかったけど、山頂は寒かった! 温度計は10℃を切ってました。遮るものが無いから、風も強い。コーヒーの温かさが身に沁みた。

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「あれが『あの花』の橋かな〜」なんて探してみたり。


11:30 下山開始

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ランチ&コーヒーブレイクを楽しんだら下山。神社鳥居付近に浦山口登山道への分岐路があります。

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こっちの道のほうが、どことなく秋めいていた。

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下山終了。といってもここから浦山口駅まで4km近く歩きます。ちなみに、写真に写ってる橋に「ゴールだー!」と走り込んだところ、前日の雨で濡れていて盛大に転びました。それはもう、見事なまでに後ろ向きに。漫画みたいなすってんころりんでした。

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雰囲気がありすぎる鳥居。

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土津 (はにつ) 園。牧場直送のアイスクリームが売りらしく、注文したらいっぱいおまけしてくれた。おまけしてもらったから褒めるわけじゃないけど、今まで食べたアイスの中でいちばん濃厚で、おいしかった。しかもありがたいことに温かいお茶が飲み放題。お店の方も気さくだったし、寄ってよかった。


 土津園でひと休みしたら、引き続き浦山口駅に向かいます。電車の本数が1時間に1、2本しか無いため、事前に調べておくのがオススメです。(僕たちは土津園で調べました)

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秩父線浦山口駅


13:58 浦山口駅

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わけのわからない電車が来た。

 上り、下りともにコースタイムより早く行けたのと出発が早かったのとでまだ14時前だったため、せっかく秩父まで来たんだしと思いつきで『あの花』の舞台へ行ってみることに。


14:21 大野原駅

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というわけで秩父線大野原駅

 『あの花』だったらやっぱりあの橋だろうということで旧秩父橋に向かっていたのですが、そこで思わぬ出会いが。

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この光景、どっかで見たことある!


「青い栞」のMVだ!(1分51秒頃参照)

 この「青い栞」は『あの花』のオープニングテーマで、MVもその舞台である秩父で録られているため旧秩父橋の近くにある「さかもとストア」が出ていても何らおかしくはないのですが、橋の近くにあるとは知らなかったのでびっくりしました。

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そしてこちらがメインの橋。

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ちちぶ『ば』し」だと思ってました。濁らないんですね。

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写真に見えてるのが新しいほうの秩父橋。旧秩父橋が歩行者専用なのとは対照的に、ひっきりなしに車が通っています。

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 『あの花』の舞台を満喫した後は、西武秩父駅に戻ります。橋の近くに秘密基地の舞台と目される場所もあるらしいんですが、僕たちはこの場所だけで十分満足したので。


15:03大野原駅発→15:17西武秩父駅

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御花畑駅で下車し、5分ほど歩くと西武秩父駅

 以前にも秩父へ来たことのあるKくんいわく、「わらじカツ丼」なるものが有名で且つおいしいとのことなので、仲見世通りにある「お食事処 仲見世」に入りました。

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わらじかつ丼 (900円)

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ちびわらじかつ丼 (820円)。普通サイズを食べきれる自信が無かったためこちらにしたんですが、差額80円というのはコスパが悪すぎる気が。でもおいしかったので満足です。

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吉高由里子も食べてました。



まとめ


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写真は大野原駅ホームから見上げた空。この日はほんとうにいい天気だった。


 当日の朝に軽いノリで行くことになった武甲山でしたが、さすが秩父のシンボルといわれるだけあって素晴らしい山でした。秩父なので熊鈴は必須ですが、初心者でもそう苦労せずに登れる山なのではないかと思います (実際、初心者の僕らがそう疲れずに登れました)。秩父市街を一望できる山頂からの眺めも圧巻ですし、万人にオススメしたい山です。登山口までのアクセスがあまり良くないのがネックですが、僕らのようにタクシーを使う手もあるので、そう気にしなくてもいいかなと。体力に自信がある方は、横瀬駅から歩いて行くのも可能です (1時間半ほどかかるそうですが)。

 また、この記事でも何枚か載せましたが、武甲山の山容は大迫力です。もうそれだけで、武甲山に登る理由になるのではないかと。威圧的な山容の裏には掘削工事という山にとっては残念なバックグラウンドもあるんですが、そうと知りつつもどうしてもその山容には惹きつけられます。だってあんな存在感を目にしてしまったら、どうしたって登りたくなってしまいますよね。

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あの花』効果もあって活況を見せる秩父


 実は僕は秩父のほうにはこれまでいちどしか来たことがなく、それも長瀞にちょろっと立ち寄った程度だったので実質今回が初めてだったのですが、武甲山がよかったのを抜きにしても、とても魅力的な地域だと感じました。まず、自治体 (というより西武鉄道?) が精力的に集客に取り組んでいるのがいいですよね。以前棒ノ折山に登りに飯能へ行ったときも書きましたが、アニメを利用したり、次々とコンセプトを打ち出したり……(「秩父金よる旅」とか)。最近まで放送されていた、吉高由里子が彼氏と喧嘩するCMも個人的にはかなり好きです。あれで「三峯神社に行きたい!」と思うようになった。



 そういえば、西武鉄道について書いていて思い出しましたが、往きに乗ったレッドアロー号が素晴らしかった。何が素晴らしいかというと、安い! 僕らは所沢から西武秩父まで乗ったんですが、530円でした。それで時間も30分近く短縮できるっていうね。都内から出かける方は絶対乗ったほうがいいです。あまりにコスパがよかったため、復路でも乗って帰ろうと思ったんですが、祝日だったからか既に満席でした。帰りの時間が見積もれる場合は先に予約しておいたほうが良さそうです。ちなみに全席指定席。(僕はいちど、高麗に行くときに間違えて切符を買わずに乗ってしまったことがあります。もちろん後で料金を払いました)


 最後に改めて話を登山のことに戻すと、武甲山はそれなりの手応えがありながらキツすぎず、山頂からの眺めも良いとても充実した山でした。いきなり両神山金峰山に登る自信は無いけれど、秩父の山に登ってみたいという方、ただ単に自然を満喫したいという方、山頂からの景色を楽しみたい方、いずれの方にもオススメです。


 秩父のシンボル、いちど登ってみませんか?



行程 (あとで思い出しながら書いているため、正確さには欠けます。あくまで参考程度にしてください)

8:07 西武秩父駅
8:30 生川登山口着
10:30 武甲山頂着
11:30 武甲山頂発
13:20 土津園着
13:58 浦山口駅
14:21 大野原駅
15:03 大野原駅
15:17 西武秩父駅



おまけ

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 西武秩父駅仲見世通りに酒屋があったので、買っちゃいました。
 秩父の地酒といえば、「武甲正宗」と「秩父錦」。悩んだ末、ほとんど直感でこちらを選びました。「秩父錦 特別純米酒 無濾過原酒 蔵囲い」。まだ開けていませんが、飲んだらこちらも感想を書きたいと思います。

 それでは、長々と読んでくださりありがとうございました。