これからのこと

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棒ノ折山に登ってきた【登山レポ】


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 先週の月曜日 (10/19)、大学の友達Sと棒ノ折山 (ぼうのおれやま) に登ってきました! ここでは、そのレポを書きたいと思います!


棒ノ折山とは?

 東京都西多摩郡奥多摩町と埼玉県飯能市の境にある標高969mの山。棒ノ折嶺、棒ノ峰、棒ノ嶺ともいう。東京都、埼玉県のどちらからも登山道があるが、後者の白谷沢ルートが人気。その理由はこの記事の後で説明します。飯能市にあるということでもちろん『ヤマノススメ』にも描かれ (第5巻)、最近は聖地巡礼の舞台としても人気上昇中。



10月19日 (月) 晴


 この日、僕とSは9:34発のバスに乗るべく9:20に飯能駅に待ち合わせました。ほんとうはもっと早い便に乗りたかったのですが、この日は平日だったのでいちばん早い便がこれだったのです。

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 バスはまさかの『ヤマノススメ』仕様でした (アナウンスでも、ちょくちょく雪村あおいの声が流れた)。

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スタート地点の「さわらびの湯」バス停。

 飯能駅から40分ほど揺られると、スタート地点である「さわらびの湯」に到着します。ここに来るまでの途中、『ヤマノススメ』でおなじみの天覧山のそばを通ったり、飯能河原のそばを通ったりして面白かったです。アニメで観た覚えのある景色も何カ所かありました。原作やアニメファンにとっては、そうした楽しみもあるかもしれません。僕もどうせ来るならもっと予習しておけばよかった。
 飯能駅からここまでは渓流沿いをひたすら西に進むのですが、飯能河原を越えたあたりからめっきり人家も少なくなり、たとえるならば「観光地化されてない奥多摩」みたいなド田舎の様相を呈してきます。ほんとうに山の奥深いところに来たんだなという感じです。

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バス停からは、しばらく車道を登ります。

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有間ダムまで来たら左折し……

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道なりに進んでいくと、

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登山口へ! 平日だからか、人っ子ひとりいません。
「熊出没」の貼り紙にびびりながら、第一歩を踏み出します。

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静寂。

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しばらく歩くと、沢が現れます。ここから更に進むと……

f:id:umiya22:20151024174458j:plain道らしき道がなくなります。待ちに待った沢登りの始まりです。

 冒頭で、棒ノ折山には「東京都、埼玉県のどちらからも登山道があるが、後者の白谷沢ルートが人気」と書きましたが、その理由はこの沢登りにあります。白谷沢ルートでは、初心者でも登れてしまうルートでありながら、アドヴェンチャー感満載の沢登りが楽しめるんです。
 最初にこの光景を目にしたときは、突然これまで歩いてきた道が消えてしまったため、「迷った!?」と不安になりました。

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「道が…ないんだけど…」(『ヤマノススメ』第5巻)
まさにこんな感じです。

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 沢を少し登ったころ、すれ違った年配の方に「この先に絶景があるよ」と教えてもらいました。絶景!? と心を弾ませて登っていくと……

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絶景でした。

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写真では伝わりきらないのが残念ですが、大迫力です。
この後もしばらく沢登りが続き……

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鎖場 (写真奥) が現れたら、終了となります。
楽しかった!

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12:40、山頂着。北側に秩父山系が見えます。これまた素晴らしい眺め。

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いただきます。

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至福の時。

 カップヌードル&コーヒーで心も体も満たしたら、スタート地点の「さわらびの湯」を目指して下山です。往路の白谷沢ルートは下山には適していないため (沢が滑って危ない)、復路は滝の平尾根を通るルートで行きます。滝の平尾根に出るには、

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往路でも通った岩茸石まで戻り、その裏に延びる道を行きます。
はじめのうちは上りでしかも道標が無いためわかりづらいですが、

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このように車道が現れたら正解です。このルートでは後にも何度か車道に出くわします。

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日が傾いてきた。下山もいよいよ大詰め。

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16時前、無事下山。

 今回の登山では往路+復路で5時間を想定していたのですが、往路で想定よりも1時間早く登れてしまったため、下山した時刻も予定より1時間早まりました。そのまま「さわらびの湯」16:25発のバスに乗っても良かったのですが、せっかくだし温泉入ってくか! ということで17:04発のバスまでひとっ風呂浴びていくことに。

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さわらびの湯へは、十月桜がほのかに色づく坂道を上ります。

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さわらびの湯。

 僕は最近とみに思うのですが、温泉に浸かるのと浸からないのでは疲労度に雲泥の差があります。それを切に実感したのは高尾山を踏破したときで、歩行距離や歩行時間、標高差では以前景信山と陣馬山を縦走したときよりもずっと楽だったはずなのに、下山後やたらくたびれたんですよね。高尾山に行ったのはまだ9月で気温も高く汗もかきましたから、よけい温泉に浸かるか否かの差が出たのだと思います。

 さわらびの湯は標高差742mの登山で疲れた体を芯からほぐしてくれました。清潔な大浴場のほかに露天風呂まであって、永遠に浸かっていたいほど気持ち良かったです。実際、僕とSは湯に出たり入ったりしながら延々と話していたので、さわらびの湯を出たのはバスが発つ5分前でした。「やばい、ギリギリだ!」とか言いつつ、

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瓶詰めコーラを買ったり、

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三日月を撮ったりしていたら、ほんとにあと少しで乗りそびれるところでした。
危なかった。



まとめ


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写真は山頂で食後のコーヒーを飲んで魂を抜かれている僕。


 棒ノ折山は、969mと1000mに満たないながら本格的登山が楽しめる素敵な山でした!
 特に、往路の白谷沢ルート! 沢登りがあんなに楽しいものだとは知らなかったです。途中、両側に切り立った巨大な岩が現れたときは、まるで秘境を探索しているかのような気分になりました。復路はそれに比べるとやや単調でおもしろみに欠けますが、降りた先には温泉も控えていますし、その温泉がバス停に近いところもポイントだと思います。頂上からの眺めも素晴らしいので、ほんとうに心からオススメできる山です。
 僕たちは今回平日 (月曜日) に登りましたが、ほとんど登山客の姿がありませんでした。往路で2、3人、頂上で3、4組の方たちを見かけたほかは、誇張ではなくほんとに誰とも会わなかったです。僕は基本的に閑かなほうが好きなのでその点でも今回の登山は大満足だったのですが、ひとりで登るとなると登山客が多い土日を選んだほうが良いかもしれません。僕も今回はSと一緒だったので何の心配もなく楽しめましたが、もしひとりで登るとなったらやはり土日を選ぶと思います。
 ちなみに、Sは復路、日が傾いてきたことは若干心配に思っていたらしく、やたらすいすい進むなあと思っていたら、暗くなる前に下山しなければとの考えがあったそうです。Sが内心でそんな心配をしていたころ、僕はといえば「日が傾いてきていい感じだなあ。神秘的だなあ」くらいにしか思っていませんでした。Sに言わせると、僕みたいな人間が遭難事故に遭うそうです。僕もそう思います。

 以上、棒ノ折山の登山レポでした。奥武蔵の山深い空気、アドヴェンチャー感満載の沢登りを味わいたい方はぜひ登ってみてください。オススメです!



行程

9:34 飯能駅
10:17 「さわらびの湯」着
12:40 頂上着
14:10 下山開始
16:00 さわらびの湯着
17:04 「さわらびの湯」発
17:50 飯能駅



おまけ

 今回、飯能市にある棒ノ折山に行ってみて、

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 いかに『ヤマノススメ』が飯能に浸透しているかがわかりました。
 最近ではどこの山に登っても必ず耳にする名前ではありますが、それにしても飯能への膾炙ぶりはすごかったです。経済効果半端ないんだろうなあ……。
 また、『ヤマノススメ』がすごいというだけでなく、飯能市のほうも町ぐるみでこれを観光業に活かそうとしていて、その積極的な姿勢があるからこそ今の賑わいがあるんだろうなと思いました。ラッピングバスやさわらびの湯ロビーでのグッズ販売なんかはその良例です。今回は訪れませんでしたが、飯能駅に近い商店街の飯能銀座ではキャラクターの等身大パネルが随所に置かれていたりもします。自分の住む街がそんなになったら考え物ですが、いまのアニメブームを町おこしに取り入れるうまいやり方ですよね。
 埼玉はアニメの使い方がほんとに上手だと思います。かの有名な『らき☆すた』はじめ、秩父市に3億円以上の経済効果をもたらしたとされる『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、『となりのトトロ』、そしてこの『ヤマノススメ』……。いま上映中の『心が叫びたがってるんだ。』も、どれほどの経済効果をもたらすのやら……。

 アニメの舞台にされることを厭んでそうした町ぐるみでの観光資源化を行わない、あるいは舞台にされることを地域活性化の契機とも思っていない市町村も多い中、埼玉県、特に秩父と飯能はうまくそれらを利用していると思います。実際の土地をフィクションで描くことはこのような町おこしに繋がるというだけでなく、作品の側にもメリットがありますから (作品に描かれた場所が実在することによる臨場感、読者がその土地を知っていた場合の現実とフィクションとのズレが与える効果など)、市町村、アニメ、そのどちらにも利益が期待できる新しいカタチの観光業のあり方として、これからも注目です。

 

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