治療としての垂れ流し

最悪だ。寝ても覚めても胃がむかつくというのはほんとうに気が滅入る。 前回のブログを書いた翌日、消化器内科に行った。そこでお腹にゼリーみたいなのを塗られて超音波がどうたらこうたらいう機械でお腹のなかを検査してもらった結果、とりあえず真っ先に疑…

秋の夜長の吐き気

現在、午前四時十分。眠れないのでブログを書いている。なぜ眠れないのかといえば、お腹がもたれている感じで気持ち悪く、吐き気も催してしんどいから。この「実際には吐かないんだけどすごく吐きそう」な気持ち悪さは九月末くらいから断続的に続いていて、…

熊の目

熊がいたよ、と佐伯さんはいったのだった。お盆も終わるころ、ぼくと川井は重いザックを背負って奥多摩湖畔のバス停に降り立った。南側から樹林帯を登る、鴨沢ルートと呼ばれる道程で、ぼくたちは雲取山に登り、山頂の近くの山小屋で一泊する予定だった。実…

雪野原【創作小説】

ある日、授業を受けるために大学へ行くと、一面の雪野原になっていた。 つい昨日まで大学棟があったはずの場所が真白に染められ、初冬の清澄な日射しを受けた雪が眩しく照り映えている。高高と突き立っていた三十三号棟が無くなったためか、空がやたらと広い…

『騎士団長殺し』を読んでいない男

ぼくです。 読んどきたいんですけどね、金が無いんです。 ところで、本好きのあいだでは村上春樹はけっこうデリケートな話題で、というのはうっかり「春樹最高!」っていったらガチ勢から鼻で笑われる可能性があるし、だからといって「春樹ね……はいはい」み…

減煙

これまでは1日に3本も吸えばかなり吸った方、基本的に1日1本で、吸わない日も多々ある、って感じのなんちゃって喫煙者だったのに、4月に入ったあたりから、1日に3本は当たり前、4、5本吸う日もざらにある——といったライトスモーカーの様相を呈してきた。院生…

まさかのB面『僕の村は戦場だった』

テクスト論的にいえば、作品は読まれないと存在しない、ひっくり返せば読まれることによって初めて存在するわけで、だからいかに作家が作品に厳密な意味を規定しようと、読者はそれをどのように読んでもいいし、また読むべきである。作品は作家の手にあるの…

余りに個人的な感想『あの子を探して』

チャン・イーモウ『あの子を探して』を観ました。 舞台は山村の小学校。唯一の先生であるカオ先生が母の看護のために一ヶ月村を離れることになり、代用教員としてまだ十三歳のウェイ・ミンジという女の子が村長に連れられてきます。 といってもミンジとて学…

バイトいやいや月間⑯ ともあれフィナーレ

3/28 (火) 小学校の先生なめてました。マジすんません。 これまでぼくは、小学校の勉強とか誰にでも教えられるし、中高と違って部活動もないし、小学校の先生って楽そうだなあと思っていた。が、塾で小学生のクラスを持つようになって考え方がまるっきり変わ…

マジでトンズラ5秒前 (バイトいやいや月間⑮)

3/27 (月) 起きたら13時前だった。 例によって夜更かししてしまったからだが、それにしてもひどい。 授業は15:40からで、予習のことも考えると遅くとも14時半には家を出る必要があった。準備 (身だしなみetc) と昼飯にそれぞれ30分かかるとして、13時半には…

バイトいやいや月間⑪⑫⑬⑭

3/20 (月) 春分の日 「きょうは塾ないよ」「ほんとですか!?」ぼくは歓喜に打ち震えた。塾が無い!「うん。祝日だからね」「ということは、もちろんぼくは行かなくていいですよね」「もちろんだよ……なーんてね」「え?」「そんなわけないじゃないか。祝日だ…

バイトいやいや月間⑩

3/18 (土) 昨晩夜更かししてしまったので昼頃目覚めた。父が買ってきてくれたカツ丼を食す。バイトは18:30からだった。すげえ行きたくなかった。行きたくなかったけど行かなしゃあないので16時過ぎから予習を始めた。こんなにちゃんと予習したのは久しぶりだ…

バイトいやいや月間⑨

3/16 (木) セルフコントロールが下手すぎる。 バイトがある日はそれだけで鬱になってほかのことが何もできないということはバイトいやいや月間④で既に書いた。で、そうした現状を打開すべく自分なりに反省して対策も打ち出したわけだが、けっきょく実行に移…

バイトいやいや月間⑧

3/14 (火) まいった、書くことがない。 きょうは昼下がりから母の友人が来るということで、ぼくは遠慮して外出した。といっても行くところがなかったので近場のカフェで本を読んでいた。小林秀雄の作品集を読んでいたのだが、すぐに眠くなってきて、途中から…

バイトいやいや月間⑦

3月13日 (月) ぼくはふだんA校で働いているが、3月だけヘルプでB校にも行っている。きょうはB校の日だった。A校の塾長が嫌いなのでヘルプで行くB校のほうがかえって気が楽だったりするのだが、きょうはマジで行きたくなかった。マジでトンズラ5秒前、って感…

バイトいやいや月間⑤⑥

3/10 (金) 昨日の反省を活かしてバイトまで遊びに行くことにし、前から行きたいと思っていたカフェへ。ランチを食べて食後のコーヒーを飲みながら本を読む。至福。 カフェを出てからはその足で大好きな公園をぶらぶらし、30分ほどたそがれてからバスに乗って…

バイトいやいや月間④

3/9 (木) きょうは考えるべきことがたくさんある。 ぼくは昨晩深夜4時半に寝入ったせいもあって陰鬱な気分で目覚めた。10時前だった。陰鬱な気分だったのには少なからずきょうがバイトであるということも関係していた。寝たら明日が来てしまう。明日はバイト…

バイトいやいや月間③

3/7 (火) 今日はぜんぜんいやじゃなかった。 もともと中○国×2だけだったので気が楽だったし、いざ出社すると「まとめて1回の授業でやってもらうことになったから1コマだけでいいよ」といわれた。どういうことかというと、クラスAとクラスBに分けて同じ内容の…

バイトいやいや月間②

3/6 (月) 8時に起床。バイトに行きたくなさすぎて悶える。そのうち二度寝。 授業は16:50から。前日の夜に予習済みだったが、いちおうもう一度だけ確認して15時半に出社する。 「私、うみやと申しますが」「ああ、お待ちしていました」 月火はふだんとは別の…

バイトいやいや月間①

3/4 (土) 18:30から授業。16時前から予習をし、17時半に家を出て18時に出社する。 「こんにちは」「はい、こんにちは」 デスクには塾長しかいない。時間割で見る限り、どうも土曜日はぼくと塾長の二人きりのようだ。クラスを担当するもう一人の先生から伝え…

三頭山に登ってきた【登山レポ】

3月1日 (水)、奥多摩エリアの三頭山に登ってきました。 武蔵五日市駅からバスで都民の森まで行きそこから登り始めるというのがメジャーなルートですが、もう少し手応えがあったほうがいいよねということで、奥多摩駅からバスで小河内神社まで行き、浮橋で奥…

怒らないのは怠慢か

もやもやしていることがあるので書いた。勢いのまま書いたので雑かもしれない。悪しからず。 ———————————————————— ぼくは先月から集団指導塾でアルバイトをしている。過去に個別指導塾で働いたことはあったが、集団で教えるのは初めてだ。 かなり疲れる。 …

結局、「読まれる」ためよりも「読む」ために書いている。

ぼくは今まであいまいな態度でブログを書いてきた。というのはブログ自体が日記のようでありながら第三者に開かれているあいまいなコンテンツだからだが、時に見知らぬ第三者に呼びかけ、時にそれこそ日記のように自分に沈潜しながら、いつもぼくはこのブロ…

進まない読書

今月九日からかれこれ十日、未だに一冊の本を読み続けている。イタロ・カルヴィーノ『冬の夜ひとりの旅人が』。頁数は現在二〇〇頁。一日の読書量に換算するとちょうど二〇頁で、要はぜんぜん進んでいない。 もともと極端に遅読のぼくだが、さすがにここまで…

正月に一泊二日で登山に行ったときの記録

1月2日(月) 晴 7:50 三つ峠駅 箱根駅伝が始まる新年二日目の朝、僕とKくんは三つ峠駅に降り立っていた。 Kくんはぼくの幼馴染だ。しかし僕とは違い、社会人三年目である。この度、彼の貴重な正月休みに泊まりがけで登山することになった。駅名からお察しかと…

いつの間にか僕らも

いつの間にか僕らも 若いつもりが年をとった 暗い話にばかり やたらくわしくなったもんだ ——ユニコーン「すばらしい日々」 八日 (日)、大学の友達と柴又帝釈天に初詣に行って来ました。 「大学の友達」といっても僕以外の三人は既に卒業して働いているため、…

黒澤明『羅生門』——「視線」をめぐる考察

卒論でテクスト表現との相違について書くにあたり、ここのところ僕にしては珍しく映画を観ていた。というわけで黒澤明『羅生門』について書きたいと思う。 『羅生門』は芥川龍之介「羅生門」と「藪の中」を組み合わせて撮られた映画だ。冒頭、カメラは羅生門…

空が青い

空が青い。卒論が終わったのだ。 卒論。ここのところずっと、僕はこれに苦しめられてきた。(死にたくないけど) 死にたいと毎日のように思い、煙草の吸い殻は積もり、髪はボサボサで肌には至るところにきびができた。でもようやく、それも終わったのだ。 (徹…

『君の名は。』感想

今更ながら、『君の名は。』を観ました。 僕はこれまで新海誠の映画は全部見ていて、『言の葉の庭』ではがっかりしたもののまあ好きな監督ではあったのですが、今作『君の名は。』に関しては実は全く観る気がありませんでした。それは前作の言の葉で落胆した…

憧れの槍ヶ岳【本編3】

08/04 (木) ヒュッテ大槍前より 登山3日目、最終日の朝は4時に起床。昨日と同じく御来光を拝みます。本当は御来光だけでなく星空も見たかったのですが、午前4時では既に星はほとんど消えていて、こちらは作戦失敗でした。ほかの宿泊客には夜中トイレに起きた…